京都大学の研究グループが
万能細胞を作り出すことに成功しました。
そもそも細胞とは、生き物の体を作っている小さなツブツブのことを言います。
皮膚・筋肉・骨・髪の毛…などすべてのものが細胞でできています。
人間の体は、60兆個もの細胞でできています。
細胞は分裂し、増えるといった性質があります。
擦り傷などをしたときに、時間がたつと傷がふさがるのも、新しい皮膚細胞ができたからなのです。
しかし、脳や心臓の場合はこのようにはいきません。
それは、心臓がとても沢山の種類の細胞でできており、構造が複雑なため、
悪くなった細胞を再び作るということはできないのです。
しかし、京都大学の研究グループが
さまざまな臓器や組織の細胞に成長する
「
万能細胞」を作り出すことに成功しました。
研究内容は、まず人間の顔の皮膚を使います。
皮膚細胞は、皮膚専用の細胞なので他の細胞にはなれません。
ここで、研究グループは皮膚細胞に遺伝子を導入しました。
7〜10万あると言われている品減の遺伝子から細胞を増やすことに関係している遺伝子を
組み合わせて皮膚に入れる研究を続けてきました。
胚性幹細胞(
ES細胞)の中で重要な働きをしている4つの遺伝子を皮膚細胞に加えて1カ月培養したところ、
皮膚細胞が変化し、ヒトES細胞と見かけが同じ細胞ができました。
これが
万能細胞です。
培養の条件を変えることによって、この細胞が神経細胞などに変化できるのです。
遺伝子の組み込みに使ったウィルスが発がん性との関連が指摘されていることや、
組み込んだ遺伝子の4つのうち一つが癌(がん)細胞であるため、癌(がん)になるおそれなどがないかどうか安全確認が必要です。
第六章