ヒトゲノムって何だ!?


ヒトゲノムの「ヒト」とは、もちろん私たち人間の和名(生物学では、和名はカタカナで表す決まりになっている)です。
そして、「ゲノム」というのはドイツ語のgenomに由来しています。
豆知識
1920年代に「ゲノム」という言葉が作られましたが、当時の生物学はアメリカよりもドイツのほうが進んでいました。
日本では、この言葉をドイツ語で当時の遺伝学者が読み取ったために「ゲノム」となりました。
英語では「ジノム(genome)」と発音

ゲノムという言葉はドイツ語の造語で、1920年にドイツの植物遺伝学者ヴィンクラーが提唱しました。
ヴィンクラーは、卵または精子に含まれる染色体の一組分をゲノムと呼んでいましたが、
遺伝子の本体がDNAという化学物質で、それに染色体が乗っているとわかると、
ゲノムは「生命体が生きていく上で必須である最小の遺伝子セット」という別の意味で使われるようになりました。
現在では、ゲノムとは「生命体が持つ遺伝子セット全体(全遺伝情報)」という意味で使われています。


ヒトの体を作り上げている細胞の核には、それぞれ46本の染色体が含まれていますが、染色体は対になっています。
一番から22番まで、ほぼ大きさの順になっている常染色体の対と、一対の性染色体です。
要するに、ヒトでは23本の染色体が遺伝の基本的な単位となっています。
そこで、23対の染色体の一組をヒトのゲノム・・・ヒトゲノムと呼びます。

京都大学大学院 生命科学研究科 生命文化化学研究室が作製したゲノムマップです。
GENOME MAP-ヒトゲノムマップ-



第五章