ゲノム計画で、ヒトの遺伝子が全てわかったのだから、
遺伝病の検査で簡単にわかるのではないか?と思う方が多いと思います。
しかし、今の段階でわかっているのは、遺伝病のDNAの塩基配列だけで、
遺伝病の原因遺伝子をさがすことは、とても困難なことなのです。
原因遺伝子を探すためには、
まず、患者さんが多くいる家族の方から、血液を少しもらいます。
そして、その血液のリンパ球のDNAを取り出して、患者さんにだけ見られる遺伝子のパターンを見つけ出すのです。
これは、それほど難しい実験ではありませんが、同じような作業を何度も繰り返し続けなければなりません。
遺伝病がおこるしくみ
@ | A |
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染色体は、同じものが2本ずつあって、 子供にはそれぞれ一本ずつ分配されるので、 組み合わせは四種類になる。 | ある染色体の遺伝子Aが働かなくなっても、 残りの染色体が正常なら、そこの遺伝子Aが働くので 問題にはならない。 |
B | C |
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しかし、父母ともに一本ずつ遺伝子Aが働かない場合は、 その両方をもらった子供が遺伝病になる。(右端の子供) | 父か母のどちらかが2本とも(ここでは父)異常遺伝子があると、 その子の半分は異常遺伝子を受け継ぐ。 |
第四章 →