学校でできるSTEAM教育
学校は、STEAM教育を取り入れるうえで最も大きな可能性をもつ場所です。子どもたちの創造力や探究心を育てるためには、日々の授業の中にSTEAM教育の視点を少しずつ取り入れていくことが大切です。ここでは、教科の枠をこえて学びをつなげ、子どもたちが主体的に取り組める授業づくりのポイントを整理し、実際の授業で役立つヒントを紹介します。
(1)教科ごとにテーマを生む
STEAM教育は、特別な時間を作らなくても、今ある教科の中で十分に取り入れることができます。理科・数学・図工・社会など、それぞれの教科の特徴を生かしてテーマをつくることで、子どもたちは教科を横断しながら学びを深めていくことができます。
(2)短時間でもできる探究
STEAM教育は「長い時間が必要」というイメージを持たれがちですが、実は45分の授業でも十分に成り立ちます。短い時間でも、問いを立てて考え、試してふりかえるという流れをつくることで、探究的な学びをしっかり体験できます。
45分版の構成例
- ① 問い(5分):テーマについて「なぜ?」「どうして?」という疑問をつくる時間。
- ② 仮説(5分):自分なりの予想や考えを立てる時間。
- ③ 試す(20分):実験・観察・制作など、実際に手を動かして確かめる時間。
- ④ まとめ(10分):わかったことや気づいたことを整理する時間。
- ⑤ ふりかえり(5分):今日の学びを振り返り、次につながる視点を持つ時間。
(3)単元全体でSTEAM教育にする方法
STEAM教育は、1回の授業だけでなく、1週間から1ヶ月といった単元全体を通して取り組むこともできます。ひとつのテーマをじっくり深めながら、調べる・試す・まとめるといった流れを繰り返すことで、より本格的な探究活動につながります。教科をまたいで学びをつなげることで、子どもたちは自分の興味を広げながら、理解を深めていくことができます。
(4)評価を“プロセス中心”にする
STEAM教育で大切なのは、結果そのものよりも「どのように考え、どのように進めたか」という過程です。自分の考えや作業の流れを記録しておくことで、思考の変化や工夫の跡が見えるようになり、仮説を立てて改善をくり返す深い学びにつながります。また、仲間と協力する姿勢や、自分の考えをわかりやすく伝える発表の質も大切な評価のポイントです。こうしたプロセスを積み重ねることで、主体的に学ぶ力が育っていきます。
まとめ
これらを評価の軸にするとSTEAM教育が活性化します。学校でのSTEAM教育は、特別な枠を設けなくても既存の教科の中で展開できます。短時間でも探究は可能であり、単元全体に広げればより深い学びになります。大切なのは「結果」よりも「過程」を評価すること。問いを立て、試行錯誤し、改善を重ねる姿勢を育てることで、子どもたちは未来社会に必要な探究力を身につけていきます。