依存症
依存症とは・症状
依存症というのは、日々の生活や健康、周りの人間関係に悪影響を及ぼしているにもかかわらず、特定の物質や行動がやめたくてもやめられない(コントロールできない)という状況のことを指します。
依存症というと、気持ちの問題、意思が弱い人がなるものだと思われがちですが、依存症も立派な医学的に認められた精神疾患です。
あるものに依存し、体制ができ常習化するとそれが無くなった、不足したときに離脱症状がでます。これが依存症です。
依存症には、物質、行動、人間関係という大きく分けて3つの種類があります。ここでは、その中でも主要のもの4つについて注目します。
①アルコール依存症
まず、アルコール依存症です。アルコール依存症は、日常生活に支障をきたしてもなお「日々どうしても飲まずにいられない」「量のコントロールができない」という状態です。
アルコール依存症は、全国で100万人以上いると推測されていますが、現在治療しているのは5%にも及びません。
次のようなサインがある場合には、アルコール依存症の疑いがあります。
・酒に強くなり量が増加していく
・ほろ酔いでは飲んだ気がしなくなる
・飲んで記憶を失うようになる
・飲むことを優先した生活になる
②ニコチン依存症
ニコチンとは、たばこに含まれる物質のことです。ニコチンは、脳に作用し快感を得るドーパミンという物質を出します。これが常習化すると、ニコチンが切れたときにうまくバランスを保つことができず、イライラしたり集中力が低下するといった症状が出ます。
また、喫煙は心筋梗塞、狭心症、脳卒中、がんなど様々な病気を引き起こしやすくなります。
③薬物依存
薬物依存は、特定の薬物に依存することで気持ちが不安定になったり今までと性格が変わるといった症状がでます。大麻やコカインだけでなく、市販薬でも起こりえます。
気持ちで解決することが少なく医療的治療が必要な病気と言われています。近年ではこの問題を解決するため、ヨーロッパを中心としたハームリダクションという運動が国連でも推し進められています。
【ハームリダクション】とは?
薬物を完全に断ち切るということではなく、本人の健康被害を減らすことを第一として、支援につながることを重視する“ハームリダクション”(Harm Reduction=被害の低減)。 現在80以上の国や地域で導入され、世界で主流となっている薬物問題への対処の方法です。
④ネット依存
ネット依存とは、実生活よりもインターネットを優先してしまい、時間や行動を自分でコントロールできないという状態のことを指します。栄養不足、睡眠障害、体力低下といった体への症状の他、家族や周りの人にも迷惑がかかります。
特に現在中高生に多く、全国で約50万人がネット依存の疑いがあります。ネット依存は予防がある程度可能なので、親と細かいルールを決めたりすることが大切です。
依存症かな?と思ったら
ひょっとしたら自分はなにかに依存しているんじゃないかと思ったら、ぜひお近くの専門の医療機関に行ってみてください。また、依存の対象物がわからない場合でも、相談所、自立グループなど回復支援施設がたくさんあります。