私たち国民の代表として、政治を担っていく人を選ぶための選挙ですが、そんな選挙にも問題があります。
一体、どんな問題があるのでしょうか。
民主主義の基本には選挙があります。そして、ひとりひとりに与えられている一票の価値が等しくなくてはいけません。
しかし今、選挙区の人口の多寡によってその価値が平等でなくなるという事態が起こっています。
同一の選挙で選挙区ごと有権者数あるいは人口数が異なることから、
1票の価値あるいは選挙区民一人ひとりの価値が異なることを一票の格差といいます。
(図はメンバーが作成)
押すと拡大できます。
年々地方の人口は減少しており、それによって都市部との選挙区ごとの人口の差が大きくなってきています。
しかしそれに伴って地方の議員を減らしすぎると地方の人々の声が届きません。
そこで、地方に残っているのは若者よりも高齢者の割合のほうが大きいため、高齢者の意見が取り入れやすくなってしまうのです。
日本国憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、 政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
合区とは、参議院議員選挙で導入されている、都道府県を跨いで1つの選挙区とする制度です。
参議院議員選挙では都道府県単位で行う「選挙区」と、全国を1区として行う「比例代表」の二つで成り立っています。
このうち選挙区は定数を人口に応じて各県に振り分け、3年に1度、半数を改選しているのですが、
定数是正だけでは解決できない「1票の格差」に頭を痛めていました。この問題を解決する切り札として、
2016年の参院選から導入されたのが「合区」です。
合区により2013年に誕生したのが「鳥取・島根」と「徳島・高知」の2選挙区です。
以前はいずれも回線定数が「1」の選挙区でしたが隣県で一つの選挙区になることで一票の格差が大幅に改善されました。
合区以前に行われた2013年の参議院議員選挙では最大で4.77倍でしたが2016年では最大3.08倍まで縮小することができました。
一票の格差を是正するために導入された、「合区」
その合区の選挙区の一つである、徳島・高知選挙区で2023年10月22日、補欠選挙が行われます!
「合区」という制度に対して県民の方はどのように考えているのか…
今回、徳島県民の方にアンケートを行いました。
詳しくはこちら!
アダムズ方式とは、各都道府県の人口を特定の数で割り、計算結果(小数点切り上げ)の合計を小選挙区の定数と一致させる、という選挙制度です。
これは議席を各都道府県の人口に応じて分配するため、各選挙区の人口の差から生まれる1票の格差を是正する上で有効だとされています。日本では2020年の国勢調査の結果をもとに、次回の衆議院選挙から導入されます。
例:A県 500万人 B県 300万人 C県 100万人(総人口900万人)の中で総議席数50を割りふる時
①定数xの候補を求める!
定数x=900万÷50=18万
②各都道府県の人口を特定の数で割り、小数点を切り上げた値を求める!
A県:500万÷18万=27.77777778≒28
B県:300万÷18万=16.66666667≒17
C県:100万÷18万=5.5555555≒6
③値を足して総議席数50を越えるか確認する!
28+17+6=51より、総議席数を超えてしまう
⇒50になるまで①〜③を繰り返していく
この場合、x=18.6万にした時、A県27議席、B県17議席、C県6議席となり、総議席50と一致するため、その通りに議席を振り分けることになる。
〜やってみよう!〜
A県 5万人、B県 3万5000人、C県 3万2000人、D県 2万3000人(総人口14万人)の中で総議席数15を割りふる時
A. A県5議席、B県4議席、C県3議席、D県3議席
定数x=11,000にした時、
A県:5万÷1万1000=4.545≒5
B県:3万5000÷1万1000=3.181≒4
C県:3万2000÷1万1000=2.909≒3
D県:2万3000÷1万1000=2.090≒3
5+4+3+3=15議席
・YOUTH VOTE!「一票の格差って何?」
https://www.youthvotehiroshima.com/knowledge_vote/gap-of-1votes/
・高卒資格.com「一票の格差の例」
https://www.kousotu.com/lect_gen/ixtu_pyou.php