3Dプリンターとは
3Dプリンターとは、3Dデータを3次元で印刷する機械です。設計した立体物(3Dモデル)を、立体の状態のまま印刷することが出来ます。
撮影場所:電子技術研究部
家や学校でお馴染みのプリンターは、紙の上にインクを噴射し、平面の図形を印刷しています。
3Dプリンターでは、僅かな厚みを持った平面の図形を縦に積み重ねることにより、平面に"高さ"を追加しているのです。
撮影場所:電子技術研究部
頭の中での想像が、3Dプリンターによって、現実の世界に創造されるのです!!!
3Dプリンターの他と違う点は、"一から作る"という点にあります。
従来の製造業では、材料から不要な部分を取り除く、いわゆる切削加工造形物を一から積み重ねる3Dプリンターに対し、既にある材料から不要な部分を取り除き造形する加工方法のこと。
と言われる工法が一般的でした。しかしながら3Dプリンターでは、材料を「必要な場所に・必要な量だけ」積み重ねることによって、印刷しています。
そのため自由度の高い造形を、「安く・早く」行うことができます。
3Dプリンターが、ここ数年再び注目されていることには、どういった理由があるのでしょうか?どうやら、3Dプリンターの用途に、変革が起きているようです...
3Dプリンターは、コストが低い・早く作れるといった点から、試作品を製造する試作機として、既に多くの企業で導入されています。
従来は外注していた試作品の製造が、自社で完結できるようになったのです。また、金型を作る必要が無いため、試作品の修正も容易になりました。
一方で、素材のコストが高く、また、型がないことから大量生産時はかえってコストが嵩んでしまい、最終製品試作品やサンプルではなく、実際に消費者に販売される製品のこと。機能性・耐久性が求められる。の印刷には用いられてきませんでした。
しかし...
消費者ニーズの多様化により、1つのラインで複数の製品を製造できる、多品種小ロット生産が求められるようになりました。3Dプリンターは、それ単体で様々な立体を造形できるという点から、この多品種小ロット生産の要として注目されています。
3Dプリンターの高精度化や金属3Dプリンター金属材料で印刷できる3Dプリンターのこと。主に粉末焼結方式が該当する。の誕生、産業用3Dプリンター試作機や最終製品印刷機として、実際に企業で利用される3Dプリンターのこと。家庭用に比べ印刷精度が良く、値段が一千万円を超えるものもある。の低廉化は、この流れに拍車を掛けました。
試作機としてしか利用されていなかった3Dプリンターが、今、最終製品試作品やサンプルではなく、実際に消費者に販売される製品のこと。機能性・耐久性が求められる。の生産にも使われ始めているのです!!!
元来企業向けとして販売されてきた3Dプリンターでしたが、近年では、比較的低価格な、家庭用3Dプリンター個人での購入を前提とした3Dプリンターのこと。産業用に比べ印刷精度は劣るが、値段が安く、5万円を切るものもある。も数多く販売されています。
特に、熱溶解積層方式加熱ノズルからフィラメント(樹脂)を押し出し、ステージに印刷する部品のこと。、光造形方式液体樹脂に光を当て、樹脂を硬化させることで断面形状を作成し、積層していく方式のこと。の3Dプリンターは低価格化が進み、たった数万円台で購入できるようになりました。
一家に一台3Dプリンターがあり、皆さんがスマホを使うかのように、立体を印刷をするようになる時代も、そう遠くはないのかもしれません。
3Dプリンターの歴史・種類・課題、また、アンケートの結果をまとめました。クリックして詳細をご確認いただけます。
種類
最初の3Dプリンターが開発されてから、早40年。光造形方式だけだった3Dプリンティング技術は、今や様々な種類へと幅を広げています。ここでは、近年益々進化を続ける3Dプリンターの種類と、その仕組みを紹介しています。