基板への活用

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研究紹介
私たちは、芝浦工業大学 真鍋研究室に所属されている大学四年生の鈴木さんの「3Dプリンターと転写箔を用いた両面基板の製作手法」についての質問と真鍋教授への質問をさせていただきました。
大学4年生の鈴木さんが行っている研究は、 個人で基板を印刷できる"ミライ"を作る研究です。

この技術が確立すれば、個人でのモノづくりの幅が今まで以上に広がります。

撮影場所:真鍋研究室

▲実際に紙に金箔を転写した物の写真

こちらの金箔は電気を通します。そしてこの転写を穴の空いた板に穴をつなげるようにして行うと (下図)

メンバー制作

▲研究での基板を表したイラスト
電気が流れるということになります。上記の画像ですと、銀色の線(転写した部分)で繋がった穴に電気が流れます。 転写箔を転写させる際は、一般のフィラメントを熱する先端ノズルフィラメント(樹脂)を押し出し、ステージに印刷する部品のこと。では行えませんので、 先端をボールペンの先にし、そこに本来、フィラメントを熱する時に用いる熱で、転写します。

撮影場所:真鍋研究室

▲印刷に用いた3Dプリンター

そして、繋がった穴に、転写後、はんだを流すことによって、両面基板が完成します。
この技術に関する研究を鈴木さんは行っております。
この研究が確立されると、自宅の3Dプリンターで両面基板を作れるときが来る素晴らしい研究です。以下の質問は、その研究に関して、鈴木さんにさせていただいた質問になります。
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"真鍋研究室"とは?
今回、取材させていただいた、「真鍋研究室」のご紹介をさせていただきます。
真鍋研究室はAR・VR・3Dプリンティングをはじめとする、様々な技術を研究することのできる研究室です。お手伝いいただいた方々、みなさんとても優しくて、入ってみたい研究室だなと思うほど、魅力的な研究室です。

撮影場所:真鍋研究室

▲真鍋研究室の様子

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取材の経緯
今回、私たちは2019年当時、私たちの所属する電子技術研究部私たちが所属する部活。略称は電技研。各自がプロジェクトを持ち、自分のやりたい研究を行っている。で副部⻑をされていた内田先輩のご紹介で芝浦工業大学真鍋研究室(実世界インタラクション研究室)の取材をさせていただきました。(内田先輩は、高校2年メンバーが中学1年のときの高校3年生でした。)
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鈴木さんへの取材

先ほど、紹介した研究をされている鈴木さんに質問させていただきました。(実施日:2022年7月8日)

  1. どういった研究に取り組まれていますか?
  2. 研究を通して、3Dプリンターのどのような点に可能性を感じますか?
  3. 研究の中で、難しいと思うことはありますか?
  4. 将来は、どのような進路を考えていますか?

Q.1
どういった研究に取り組まれていますか?

A.1
私は、
「3Dプリンターと転写箔を用いた両面基板の製作手法」
という、簡単にいうと、
「ボードに、電気を通す銀箔を熱でくっつけることで、両面基板を作成する」
という研究に取り組んでいます。

先輩から引き継いだので、こちらの研究を行い始めました。


▲実際の研究の様子

Q.2
研究を通して、3Dプリンターのどのような点に可能性を感じますか?

A.2
私の思う、3Dプリンターの可能性を感じる部分は、
「自由性」 だと思います。今でも、様々な人がお家で作りたいモノを作れていますが、現在の3Dプリンターの低廉化が進むことで、より自由に様々なモノを作ることができるようになります。

Q.3
研究の中で、難しいと思うことはありますか?

A.3
難しいと思う点は、
「だいたいが許容されない点」 です。目視でやらなければならないので、毎回正確なものを作ることができません。本当は、センサーを使い、ノズルが基盤を押し付ける強さを測り、正確に転写出来るようにする必要があります。
押し付ける強さが、強すぎても弱すぎても悪影響を及ぼします。

撮影場所:真鍋研究室

こういった形で失敗するケースが多いです。

撮影場所:真鍋研究室

これが成功例ですね。比較すると、やはり、差があります。

0.1mm単位で調整しなくてはならないこと(圧をかけすぎると、筆跡が残ってしまい、圧力が足りなくてもうまく映らない)もあるので、なおさら、目算で行うのがつらいことがあります。

Q.4
将来は、どのような進路を考えていますか?

A.4
やはり、デジタル関連の職に就きたいですね。

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真鍋教授への取材

真鍋教授に質問させていただきました。(実施日:2022年7月8日)

  1. 真鍋教授が3Dプリンターを扱うことになったきっかけはなんですか?
  2. 今の教育などで3Dプリンターを教える必要性はあると思いますか?
  3. 将来の3Dプリンターはどうなっていくと予想されていますか?

Q.1
真鍋教授が3Dプリンターを扱うことになったきっかけはなんですか?

A.1
研究開始は10年以上前のことになります。以前から、プリント基板加工機に興味があって、その流れでそこらへんにあった3Dプリンターを扱い出したっていう感じですね。

Q.2
今の教育などで3Dプリンターを教える必要性はあると思いますか?

A.2
私は、とても大事だと思います。空間認識能力などの直接的な効果もあり、視覚的な成果がわかりやすいので、とても楽しく、作れます。子供たちにはぜひとも、勉強してもらいたいです。また、子供たちが学ぶにしても、きっかけを与えるべきだと思います。

Q.3
将来の3Dプリンターはどうなっていくと予想されていますか?

A.3
私は、圧倒的に速さが増すと思います。

逆に聞きますが、皆さんはどうやったら印刷スピードが上がり、印刷時間が短くなっていくと思いますか?

うーん...
それは考えたこともありませんでしたが、出力口を増やしたり...とかですかね。

まあ、考えられる範囲内だと、あらかじめ枠組みを置いて、その上から樹脂を流すなど、様々な方法があると思います。そういった形で身近なアイディアで印刷時間を短くする、未来への道があるわけです。

“The best way to predict the future is to invent it.”
by Alan Kay

ぜひ、この英文の意味を考えてみてください。未来を創るキーワードがわかると思います。

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取材を終えて
最後の英文は、直訳すると、「未来を予測する最良の方法は、それを発明することです」という意味になりますが、私は「自分自身で何か今までにない、新しいものを作ることこそが、未来を創る。」 という意味として考えました。

そして、私たちは、取材を進めていく中で、鈴木さんがおっしゃっていた「研究の難しさ」の様々な点を学ぶことができました。また、この技術が確立したとき、基板業界に革命が起こるなと間近でみて、感じました。真鍋教授への取材で3Dプリンターの未来に対する視野がまだ狭かったと感じ、3Dプリンターのミライを見直すきっかけになりました。

今回の取材は、真鍋教授、内田先輩、鈴木さんをはじめとする、真鍋研究室の皆さんのご協力で実現しております。この場を借りて、感謝申し上げます。ありがとうございました。
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参考文献
前:医療への活用
サイフューズでは、組織・臓器の印刷を可能にした、「バイオ3Dプリンター」を開発しています。
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3Dモデリング教育に注目が集まる現在、Autodeskでは、Fusion 360に代表される3Dモデリングソフトの開発を行っています。

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