「DNA」という単語は、よく目にすると思います。
では、「DNA」と「遺伝子」の違いを説明できますか?
「染色体」や「ゲノム」なんかもよく混同されます。
遺伝の原因となっているもの、ぐらいの認識の方が大多数だと思います。
「DNA」は遺伝情報を記録している物質です。
Deoxyribo Nucleic Acidの頭文字を取ったもので、日本語に訳すとデオキシリボ核酸です。
情報を保存しておく媒介としての役割があり、遺伝子の本体であるといえます。
よく、「生命の設計図」という表現が使われるのは、このDNAに生物を作るのに必要な情報がすべて詰まっているからです。
「染色体」とは、DNAとヒストンからなる物質です。
DNAは普段、ヒストンに巻きつくことによって、折り畳まれています。
DNAはとても長い物質ですから、細胞内に収めるにはそうせざるを得ないのです。
色素でよく染まることから、「染色体」と呼ばれました。
「遺伝子」はDNA上の、タンパク質の作り方を記録している場所のことです。「エキソン」とも呼ばれます。
実は、DNAのすべてがタンパク質について書かれているわけではなく、「遺伝子」の部分は全情報の1.5%ほどに留まります。
残りの部分は、DNAが働くときの制御に必要な情報が書かれています。
「ゲノム」とは生物にとって必要なワンセットの遺伝情報のことです。
ゲノムはタンパク質の情報に限らず、生物の設計図全体のことを指します。
日本語では「全遺伝情報」と表します。
生物に書かれている情報を一冊の本に例えると、「DNA」はインク、「染色体」は本、「遺伝子」は書かれている内容の中でタンパク質に触れている部分で、「ゲノム」が書かれている内容全部、となります。
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