嚢胞性線維症とは、北ヨーロッパ出身者に多く見られる遺伝疾患です。
この病気は劣性遺伝します。
特定の遺伝子に変異があれば予知できる病気でもあるため、単一遺伝病、メンデル遺伝病と呼ばれています。
原因となる変異はいくつかあり、場合によっては症状が小さくなるものもあります。
身体中の多くの器官に悪影響を起こします。
この病気の名前の由来は膵臓に、嚢胞と繊維の傷ができるところからきています。
膵臓に悪影響が出るため、消化酵素の分泌が不可能になります。
消化酵素が出なければ、食事をしても栄養を吸収できなくなります。
腸が関係する場合もあります。
そのため、出生直後に腸の手術をすることもあります。
男性がこの病気に罹った時は、不妊症になることもありました。
しかし、いちばん重要なことは、肺がやられることです。
粘性のある分泌物が肺に溜まり、感染症に何度も罹り、肺の組織が壊れ、死に至ります。
また、嚢胞線維症を患っている人は汗に含まれる塩化物の濃度が一般よりも高いです。
塩化物濃度の高い汗が出るのは、塩分と水分の輸送に問題があるからです。
そして、その問題は肺や腸、膵管にも影響します。
そのため、汗に含まれる塩化物の濃度で嚢胞線維症か判断します。
栄養不良を改善するための膵酵素カプセルや、肺の粘性の分泌物の除去をする胸部理学療法、抗生物質の投与、肺の粘性の分泌物の粘性DNAを分解する噴霧酵素治療、気道をクリアにするのを助ける塩水噴霧治療などがあります。また、両肺の移植手術という手もあります。
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