原核生物のDNA複製についても、簡単ですが説明します。
ですが、その前に1つだけ確認しておきます。
細菌などの原核生物の細胞(原核細胞)のDNAは、真核生物(真核細胞)のDNAとは形が違います。
多くの真核細胞のDNAは直線状をしていますが、原核細胞のDNAは環状、歪んだ輪の形をしています。
例えば、大腸菌のDNAも環状で、複製起点はなんと1個しかありません。
DNAの複製はこの1つの複製起点から開始され、それぞれのDNA鎖で複製が進み、最終的には2つの環状DNAが作られます。
ちなみに、大腸菌のDNAは約1.4mmですが、複製に40分ほど費やします。
これ以外にも、原核生物には、細胞分裂の間も常にDNA複製が行われているという特徴があります。
その上、一回のDNA複製が終わり切らなくても、次のDNA複製を開始することができます
なお、環状DNAについて補足するならば、原核細胞の染色体を形作るDNA以外にも、染色体外に存在する「プラスミドDNA」と呼ばれるDNAも環状をとっています。
プラスミドDNAは細胞分裂や染色体のDNA合成とは無関係に、個々で増えることができるという特徴があり、遺伝子組み換えの場において使われていました。
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