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DNA鑑定

全世界で用いられています。 「DNA鑑定」というものを聞いたことがあると思います。
犯罪捜査や親子鑑定に使われている光景を各メディアで目にしたことはないでしょうか。
実際に「DNA鑑定」は犯罪捜査で世界中で取り入れられている方法です。
実は「DNA鑑定」と一口に言っても、対象はヒトだけはありません。家畜や作物などに対しても行われ、品種鑑定の判断材料として利用されることもあります。

DNA鑑定で調べるものはSTRという領域で、「Short Trandem Repeat」の略称です。
STRとはDNA上で、2〜4塩基程度の同じ配列が繰り返されている場所です。
ヒトのDNA上にはこのような繰り返しが多数見られ、人それぞれ違ったものを持っています。
この個人間での違いに着目して個人の識別や親子鑑定を判断します。

DNA鑑定の手順

DNA鑑定をするには、まず調べたいDNAを用意しなければなりません。

指紋から調べるときは、皮膚の細胞を探します。
たとえ指紋を拭き取ったとしても、そこに一つの細胞も残さないというのも無理があるでしょう。

髪の毛を調べるときは、毛根細胞から採取します。
毛根細胞とは、髪の毛の根本についている小さな粒のことです。
よく勘違いする人が多いのですが、髪の毛が用意できてもその毛根細胞の部分が残っていなかった場合、残念ながらDNA鑑定をすることはできません。毛の部分はDNAから読み込まれたタンパク質であって、DNAを含んでいないのです。そこからDNAを逆算するような技術は現段階ではありません。

唾液を調べるときは何を調べるのでしょうか?
唾液自体には細胞がいません。
しかし、頬の内側などから剥がれ落ちてしまった細胞が混ざっています。
それを探して調べることで、DNA鑑定が可能となります。

DNAは乾燥に強いため、乾いてしまった血液からでも鑑定が行えますし、時間が経ってしまったものでも無問題です。
反面、放射線や強酸、強アルカリなど、物質の構造が変えられてしまうような変化には弱いです。

こうして採取したDNAは、PCR法というものを用いて増やします。
この技術で少量のDNAであってもSTRの判別が可能なレベルまで増やすことができます。
現在の技術では、1ナノグラム、つまり細胞一個分ぐらいのDNAがあれば、DNA鑑定が可能な量まで増やすことができます。

適切な場所を選び、繰り返しのパターンや回数を比較することによって個人の識別が可能になるのです。
ただ、あくまで繰り返しのパターンを調べているに過ぎない、ということは念頭に置かなければなりません。
”偶然の一致”が起こる可能性も大いにありますし、裁判での実例もありました。
そのため注意深い判断が必要となります。

現段階ではサンプルの少なさから、DNA鑑定のみでの犯人の特定はほぼ不可能らしいです。
上記の理由などにより、裁判の証拠として使われるよりも、捜査において容疑者絞り込みや身元確認のために利用されます。


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