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優生主義

優生主義とは人類にとって優れた子孫をつくり人種改良をすることが、人類をよりよい方向へ導くという考え方です。
20世紀初めのアメリカやイギリス、ドイツなどの国民や政治家に受け入れられました。
しかし、その中には過激な思想もあり、特にナチスドイツにおけるT4作戦や反ユダヤ主義は有名です。
遺伝子診断によってあらかじめ持っている遺伝病がわかるようになり、このような思想に発展しないか危惧されています。
出生前診断やデザイナーベビーもこの類に該当します。

問題挙げてみるとしましょう。
例えば正常と異常の区別です。
実は、その遺伝子が正常であるか異常であるかは文化によって変わってきます。
たとえば、日本人には耳垢が乾いている人が多いですが、世界的に見ると湿っている人が大多数を占めます。
このような感じで、一見すると病気を引き起こしているように見える遺伝子も、実は進化の結果に生じたものでウィルスや環境に対する適応でした、ということもあります。
つまり、私たちはその遺伝子が絶対的に優れていると言い切ることができないわけです。
多型ではないという理由だけで絶やしてしまうと、かえって遺伝子の種類の貧困化を引き起こしてしまうのでは、と懸念されています。

また、それを行う手段も問題となります。
優勢主義は、ナチズムとともに語られることがよくあり、そこでは「滑りやすい坂道」と喩えられることがあります。
一度踏み出してしまうと、歯止めが効かなくなることを端的に表しています。

「遺伝子」という新たな情報を得た人間は、それがどういうものなのかをよく考えねばなりません。


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