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遺伝子検査の問題点

遺伝子検査を用いた診療は、従来の診療とは違った特徴を持っています。
それゆえ、以前は発生しなかったような問題も発生します。
ここではその一例を採り上げていきます。

検査結果は一生引き継がれる点

ヒトのゲノムは一生変わることはありません。
よって、一度出した検査結果はとても有用なものです。
反面、取り扱いに気をつけねばならない、究極の個人情報でもあります。
もちろん、遺伝学の発展によって、以前出された検査結果の読み取り方が変わることはあります。

発症前の診断が可能である点

これも従来の診察では不可能だったことです。
その因子によって何パーセント発症率が上がるか、その因子の影響を含めて普通の人よりどれくらい発症しやすくなるのか、など細部にわたった説明が必要です。
また、現在では治療法が確立されていない病気も予想されます。

検査結果が被検者だけの問題で収束されない点

個人だけではとどまらないのです。 被験者にとっての検査結果は血のつながっている親や子供、兄弟だけでなく血縁者全体にとっての問題となります。
以前より病気の診断に血縁者の死因などが重要視されてはいましたが、ここまで色濃く影響が出るのは遺伝子診断ならではでしょう。
よって、遺伝子診断を受ける前に被験者が十分な説明を受け、決定権をもたせることが必要とされます。
→インフォームドコンセント

また、社会的・心理的な影響も懸念されます。
→職業選択問題
→生命保険
→優生主義

このように様々な新しい形の問題が懸念されます。
ですが、「遺伝子」の視点から見た検査が有用なものであることに変わりはありません。
このような問題とどう向き合っていくか。
人々にとって、とても重要な課題です。


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