安全性の問題

冷凍食品の添加物

主な食品添加物の種類

私たちが普段食べている食品には発がん物質や添加物が含まれていることがあり、実際にその危険性に関する議論も多くなされています。 また、その中でも日本では特に多くの食品添加物が使われています。 以下は主な食品添加物とその効果です。

保存料 食品中の細菌が増えることや変質・腐敗を防ぐ。
着色料 食品や化粧品に色をつける。
甘味料 食品に甘みを加える。
香料 食品に香りを加え、においを隠す。
乳化剤 水と油が混ざるようにする。

これらの他にも、増粘剤、安定剤、発色剤など、様々な添加物が存在します。

食品添加物の危険性

食品に使用することのできる添加物の種類や量に関する基準は食品安全委員会の評価に基づいており、摂取してすぐに体に害を及ぼす可能性はそれほど高くはありません。 また、-18℃以下で保存すると腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、冷凍食品では保存料やそれに代わる食品添加物を使用する必要がありません。 一方で、10年以上にわたる長期的な実験が行われているわけではないため、絶対的な安全性が確かめられたわけではありません。 中でも以下にまとめた食品添加物のように、大量に摂取すると危険なものもあります。

亜硝酸ナトリウム 発色剤として食品に色味を加える。肉や魚に含まれるアミンと反応すると発がん性物質に変化する。
グリシン アミノ酸の一種で、食品の日持ちを良くする。食塩の過剰摂取にもつながると言われる。
アスパルテーム 合成甘味料の一種で発がん性、精子減少などの危険性がある。
タール色素 合成着色料の一種。石油製品から抽出した色素であり、発がん性や催奇性がある。
グルタミン酸ナトリウム うま味成分として用いられる。神経細胞の破壊により、アルツハイマーや鬱病の原因となる可能性がある。

食中毒事件

2007年から2008年にかけて「毒入り餃子事件」が起きました。

中国で製造された冷凍餃子に有機リン酸系農薬が混入され、それを食べた消費者が重度の中毒症状を発症し、大きなニュースになりました。 商品は回収されたものの、被害にあった方が大勢出て、食の安全や輸入食品への信頼を揺るがせた大きな事件になりました。 当時の農水省の基準では、製造国の表示が義務づけられていました。 中国産の食品は買い控えられ、冷凍食品は売り上げが30%も落ち込んだ企業もあったそうです。

冷凍食品国内消費量の推移

一連の騒動を受けて、各企業は国産の材料に切り替え、国内の製造を増やし、品質の向上で安心できる商品づくりに努めました。 その頃から原材料の産地を細かく公開するようになりました。 パッケージに表示できない部分はホームページで確認できるようになっています。 また現在では味の素グループなどでは減塩や3大アレルゲン不使用などを心掛け、SDGsの「健康」をテーマとした取り組みも行われており、冷凍食品は健康面においても注目すべきものとなってきています。

人の口に入るものが、健康を害するものであっては決していけません。 価格の安さより、消費者は安全を第一に求めているということが改めてわかった事件でもありました。

まとめ

冷凍食品は-18℃以下で保管されるため腐食が進まず、食品添加物を入れる必要がありません。 「毒入り餃子事件」以降も、消費者に安全・安心な製品を提供するために、各企業がパッケージに生産国を明記するなど工夫しています。 また他にも味の素グループでは減塩や3大アレルゲン不使用などを心掛け、SDGsの「健康」をテーマとした取り組みも行われており、冷凍食品は健康面においても注目すべきものとなってきています。