技術の展望

プロトン凍結

最先端の冷凍技術として、プロトン凍結を紹介します。

プロトン凍結とは、冷風で食品を急速冷凍しながら、磁石と電磁波で食品中に生成される氷結晶の大きさをコントロールするという技術です。 つまり、エアーブラスト方式の上位互換のようなものです。

プロトン凍結の仕組み

主な利点は、一般的な急速冷凍技術よりも氷結晶のサイズを小さくすることが可能であることです。 これにより、品質を最大限に維持することができます。

地域活性化に役立つ冷凍技術

地方から都市部へ

コールドチェーンが発展したことで、町おこしにも急速冷凍技術が役立てられるようになりました。 その土地の特産物を都市に出荷し、ブランドをアピールすることができるようになりました。 ふるさと納税の返礼品の一部には要冷凍のものもあり、そこで急速冷凍技術が利用されているのです。

まとめ

急速冷凍技術は発展を続け、プロトン凍結技術を生み出しました。 また、冷凍食品産業だけでなく、地域活性化など、あらゆる分野で急速冷凍技術が役立てられています。

医療に応用される冷凍技術

医療の現場でも、急速冷凍技術が利用されています。

血液と生体組織の保管

みなさん、献血をしたことはありますか? 現代の技術では、必要な機能を完全に備えた人工血液を製造することはできません。 それでも患者の治療には血液が必要な時があります。 そこで、私たちの献血血液が役立ちます。

献血血液は病院や血液センターなどの施設で、成分別(赤血球、白血球、血小板、血漿)に保管されています。 特に血漿は、-20℃以下で保管しなければならないので、急速冷凍技術が用いられているのです。

また、心臓弁や骨、網膜などの生体組織を保管する際にも、急速冷凍技術が使われています。 冷凍された生体組織は「ホモグラフト」と呼ばれています。

さらに、受精卵の冷凍保存にも急速冷凍技術が用いられています。 しかし、受精卵には脂質が多く含まれているため、冷凍に失敗する例も少なくありません。 冷凍技術のさらなる進歩が求められています。

そして新型コロナウイルスのワクチンやiPS細胞、DNA、抗がん剤なども、冷凍保存が必要です。 最先端の分野でも、急速冷凍技術が活躍しています。

人体冷凍保存技術

さらに、日本でも冷凍技術を用いた、人体冷凍保存装置が開発されているかもしれません!

1960年代 アメリカのアルコー延命財団の人体冷凍保存の研究が始まる。
2017年 中国で初めて人体冷凍保存が行われる。
2017年 アメリカの大学で冷凍保存された人の細胞レベルでの復活を確認。

人体冷凍保存技術はSF世界でしか見たことがないと思う方もいるかもしれませんが、実は様々な国で開発が進められているのです。

人体冷凍保存クライオ二クスとは、現代の医療では助けることのできない患者さんを未来における蘇生に懸けて、極低温で人体を保存することです。 実際、アメリカのアルコー延命財団では実際に行われ始めています。 しかし、まだまだ課題は山積みです。 2017年、アメリカの大学で冷凍保存された方の細胞レベルでの復活は確認されたようですがまだ、全身の復活までは時間がかかりそうです。 倫理的な課題もたくさんあるので、現段階では開発中になっています。 しかし未来では患者さんは人体冷凍保存という選択肢ができるようになるかもしれません。

主にどのような問題が考えられるのでしょうか。

  • まだ人体冷凍保存技術が完成していない。
  • 人体を物のように扱うのは倫理的に正しいのか。
  • 将来復活できたとしても戸籍が残っていないかもしれない。

日本トランスライフ協会によると、2040年頃には人体冷凍保存技術による蘇生ができるようになると言われているそうです! 日本ではまだ施設はありませんが、遺体をロシアやアメリカなどへ運んで処置をするサービスは提供されています。