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チーズ


実は、チーズには発酵しているものとそうでないものがあります。
カマンベールチーズやブルーチーズ、チェダーチーズなどは発酵していますが、モッツァレラチーズやクリームチーズは発酵していません。(フレッシュチーズといいます)
原料の乳は牛、ヤギ、ヒツジ、水牛、トナカイ、ロバ、ラクダと様々で、1000種以上のチーズがあるとされています。




歴史

チーズが歴史上に登場するのは、紀元前4世紀ごろに書かれた旧約聖書や、紀元前5世紀ごろから伝わるギリシャ神話です。
逸話として有名なのはアラビア民話です。
アラブ商人が、羊の胃袋を乾燥させて作った水筒にヤギの乳を入れて旅をしたところ、水筒の中身が澄んだ水と白い塊に変わっていたという話です。
チーズを作るときに、はじめは子牛の胃袋の酵素で乳を発酵させていましたが、ほかにもイチジクやパパイヤの酵素も使われるようになりました。
やがて、その技術は中近東からヨーロッパへと伝わっていきました。

日本にチーズが伝わったのは江戸時代ですが、日本には牛乳を利用する文化がなかったため、受け入れられるまでに時間がかかり、明治維新の頃にやっと食べられるようになりました。



種類

チーズはミルクを乳酸発酵させた後、レンネット(タンパク質を固める酵素)を加え固め、カードと
呼ばれるものを作ります。
その後、微生物を噴霧したり加塩のみを行ったりという作業の違いによって、チーズの種類が分類
されます。



製造法(カマンベールチーズ)

@ 湯煎で牛乳を62〜65℃で30分温める。
A @の牛乳を32℃に冷やす。
B 牛乳に乳酸菌・レンネットを加え、1時間ほど待つ。
C 出来あがった塊を四角く切って丸い型に入れ、水分を排出させる。
D 一晩経つと水分が抜けきるので、型から取り出し塩を加えて白カビを吹き付ける。
E 1週間ほどで表面が白カビで覆われる。カビの発生を抑えながら、さらに数週間ほど熟成させる。



栄養・効果

原料が牛乳のためカルシウムが豊富です。また、肝臓の働きを助ける必須アミノ酸のメチオニンが含まれています。


参考資料


誠文堂新光社  発酵のきほん P74〜77
日刊工業新聞社 トコトンやさしい 発酵の本 P36〜37
実業之日本社  発酵検定公式テキスト P71