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味噌


味噌は、蒸した大豆に穀物の麹と塩を合わせて発酵させた、和食に欠かせない調味料です。
かつては各家庭で作られ、自家製の味噌を自慢することから、自分のことを褒めるという意味の「手前味噌」という言葉ができました。
味噌は地域色豊かな調味料で、原料に使用する麹の種類が大豆、米、大麦、またはそれらを合わせたものと、豆味噌、米味噌、麦味噌に大別されます。


歴史

諸説ありますが、ルーツは醤油同様に中国から伝えられた醤(ひしお)で、奈良時代に作られた未醤(みそ:現代の味噌の原型)ではないかといわれています。
当時の味噌は水に溶けないものだったため、そのままなめたり豆腐や野菜に塗って食べていました。

鎌倉時代には寺ですり鉢が使われ、粒味噌をすり潰した味噌汁が飲まれるようになると、一汁一菜という鎌倉武士の食卓の基本が確立し、明治・大正時代まで受け継がれました。
戦国時代には味噌は兵糧として重宝され、城に保存食として備蓄されました。
江戸時代には全国で多様な味噌が生まれ現在に至ります。


種類

味噌品質表示基準によって、原料による4種類に分類されます。また、色や味によっても分類ができます。



製造法


 
   身近な材料で家庭でも簡単に作ることができる、米味噌と麦味噌について説明します。

   材料  大豆、麹(米味噌→米麹・麦味噌→麦麹)、塩
   手順  @ 水でよく洗った大豆を、一晩水に漬ける。
       A 大豆を鍋で煮る。
       B 大豆を潰す。
       C 大豆・麹・塩をよく混ぜる。
       D Cを団子状に丸め、桶(容量約2L)に隙間なく詰める。
       E 表面にラップをし、蓋をして重しをのせる。
       F 新聞紙で桶を覆い、冷暗所で5〜6か月保存する。




参考資料


実業之日本社  発酵検定公式テキスト P40,42〜45,111
日刊工業新聞社 トコトンやさしい 発酵の本 P38〜39
誠文堂新光社  発酵のきほん P46〜47
ポプラ社    しらべよう!世界の料理@ 東アジア 日本 韓国 中国 モンゴル P11
PHP研究所   おどろきの栄養パワー 発酵食品の大研究 みそ、しょうゆからパン、チーズまで P25