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みりん
主に調味料として使うみりんですが、もともとは高級な酒として飲用されていました。
今でも日本の正月に飲まれるお屠蘇(とそ)は、清酒以外にみりんを使うことがあります。
みりんは米と米麹を使い、焼酎を加えてつくります。
みりんの甘みは発酵によって麹カビが生み出したブドウ糖によるものです。
歴史
みりんの発祥は現在はっきりとしていませんが、中国に密淋(みいりん)と呼ばれる甘い酒がありました。
それが戦国時代に日本に伝来し、みりんが生まれたという説があります。
ちなみに、現在でも中国の浙江省(せっこうしょう)には密酒という糖分20%以上の酒があり、さらに紹興酒のもととなった淋飯酒もあります。
このように、中国はみりんに近い飲料が飲まれてきました。
日本では、1593年(戦国時代)の文献「駒井日記」に当時みりんは蜜淋酎(みいりんちゅう)といい、甘く貴重な酒として上層階級に飲まれていたという記録があります。
江戸時代後期からは、そばつゆなどの調味料として使われるようになりました。
種類
みりんは大きく「本みりん」「本直し」「みりん類似調味料」に分かれます。
このうち「みりん類似調味料」はみりんのようで、実は似て非なるものです。
製造法
みりんの主な原料は米・米麹・アルコールです。
まず、蒸したもち米に米麹を混ぜ、日本酒や焼酎などのアルコールを投入して、およそ2か月室温に近い温度で発酵させます。
それによってできたものを搾ることによって、みりんが完成します。
栄養・効果
栄養成分は炭水化物、カリウム、リンなどです。糖分やアルコール、クエン酸を含むため疲労回復効果があります。
また、肉や魚料理に使うと、みりんの複数の糖類が加熱されることで膜を作り、照りや艶が出るほか、アミノ酸やペプチドなどのうま味成分と糖類が絡み合い、コクとうま味を生み出します。
みりんに含まれるアルコールと糖類が材料の組織を引き締めるため、煮崩れを防ぐ効果も分かっています。
参考資料
実業之日本社 発酵検定公式テキスト P64〜65
ほるぷ出版 行ってみよう!発酵食品工場 P41
PHP研究所 おどろきの栄養パワー 発酵食品の大研究 みそ、しょうゆからパン、チーズまで P45