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食酢
食酢(しょくす)は、原料となる穀物や果実から酒を醸造し、そこへ酢酸菌を加え酢酸発酵させた酸性調味料です。
酒が発酵して食酢ができるため、酒醸造と食酢の歴史はあまり変わらないと考えられています。
食酢は現在、健康的な調味料として話題となっています。しかもその種類は数えきれないほどあり、私たちの食生活に大きく関わっている調味料といえます。
歴史
食酢は世界最古の調味料といわれ「旧約聖書」にも酢が飲み物として登場しています。
日本で食酢の醸造が始まったのは4世紀後半で、味噌や醤油の歴史より300年も遡ります。
酒造りとともに中国から伝わり、和泉の国(現在の大阪府南西部)から全国へ技術が広がっていきました。
食酢が商品として作られるようになったのはヨーロッパでは14〜15世紀から、日本では江戸時代からです。
種類
製造法(米酢)
伝統的な米酢の製造法を紹介します。
栄養・効果
食酢は主成分である酢酸が体内でクエン酸に変化し疲労回復効果をもたらし、血行を良くしたり体内の脂肪の分解を促進するはたらきがあります。
また、食酢は塩味を強く感じるため、塩分を控えることができ、細菌の増殖を抑え腐りにくくする効果があることから、ピクルスやらっきょう漬け、鮮魚の酢洗いなどに使われてきました。
その他の用途として、食酢には抗菌効果があるため、食中毒菌に対してまな板をはじめキッチンまわりの洗浄にも利用されています。
参考資料
誠文堂新光社 発酵のきほん P42〜45
実業之日本社 発酵検定公式テキスト P58〜63,122
日刊工業新聞社 トコトンやさしい 発酵の本 P42〜43