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パン
現在のパンは小麦粉、水、酵母を原料に発酵させ、ふっくらと焼き上げたものです。
小麦粉と水でよく捏ねた生地に酵母を加えると、小麦粉に含まれる麦芽糖や添加した糖分を酵母が取り込んでアルコール発酵し、ブドウ糖や麦芽糖を炭酸ガス(二酸化炭素)に分解します。
これにより捏ねたときの何倍にも生地が膨らみ、もちもちした食感が生まれます。
また、酵母にはさらに重要な働きがあります。発酵の際にアルコールやエステルなどの香気成分(おいしいにおいの成分)を生み出し、パンに豊かな香りや風味をもたらします。
歴史
パンの起源は紀元前7000~6000年で、メソポタミアで誕生したといわれています。当初は大麦と小麦を
混ぜ水で焼くだけの発酵していないパン(無発酵パン)でした。現在も中近東(イラク・シリア・トルコ)から
北アフリカに及ぶ地域で食べられているピタパンやインドのチャパティなど、無発酵パンが残っています。
発酵したパンの起源については、大麦粥の食べ残しが大気中の酵母や乳酸菌によって自然に発酵して膨らみ、それを焼いて食べたという紀元前の古文書が見つかっています。
日本には、安土・桃山時代に鉄砲と一緒にパンが伝わったという記録があります。
しかし、当時はキリスト教への警戒心があり、パンは普及しませんでした。
大衆に広まったのは、学校給食にコッペパンが使われ始めた第二次世界大戦後でした。今では、日本の第二の主食といえるほどに浸透しました。
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「パン」と「ブレッド」
日本では、パンとブレッドは同じ食べ物と認識されていますが、なぜ2つの呼び方があるのでしょうか?
私たちが日常「パン」と呼んでいるのは、1543年、種子島に鉄砲とともに伝わったポルトガル語の「pao」に由来するといわれています。
一方「ブレッド」は、1853年、浦賀沖にアメリカのペリー率いる黒船が来航して以来伝わった英語の「bread」に由来しています。
種類
パンには発酵しているパンと、発酵していない無発酵パンがあります。
発酵しているパンはふっくらしていて、発酵していないパンは薄くてかたいのが特徴です。


製造法
ホームベーカリーが普及している今、パンを家庭で作る人が増えています。
ここでは、パンメーカーが製造する中種法の工程を紹介します。

