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権利の歴史

2000年 「児童虐待の防止等に関する法律」制定

1980年代から1990年代にかけて、日本での児童虐待相談件数が急激に増加し、また、虐待による子どもの死亡事案も相次いで発生していました。1990年に1,000件を突破した全国での相談件数は、2001年には23,274件にまで増加し、これに伴って、厚生省(当時)や児童相談所がこうした状況に対応しきれていないという批判が高まっていきました。当時から存在した児童福祉法においても、児童虐待を発見した場合の通報義務や、虐待が疑われる家庭への立ち入り調査、子どもの一時保護、家庭裁判所への子どもの施設入所の申し立てなどについて定められており、厚生省は当初、同法で十分に対応できるため同法改正や新法の立法の必要はないとの方針をとっていました。しかし、通報義務の存在は国民の間で十分に認知されておらず、児童相談所は立ち入り調査などの措置の実施に消極的であるなど、運用上実効性に欠ける状態が続いていました。そのため、新法が必要であるとする声が高まっていき、2000年の国会で「児童虐待の防止等に関する法律」が超党派議員立法において成立しました。同法では、児童虐待を「身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待」と定義し、児童虐待の禁止や、児童虐待の通報義務、児童虐待の予防、早期発見、防止などに対する国と地方自治体の責務、被虐待児の保護や自立支援のための措置などについて定めました。

その後、児童虐待の防止等に関する法律は、実効性をより高めるため、2004年と2007年には児童福祉法とともに改正され、2016年にも改正されました。翌年の2017年には児童福祉法の改正も行われました。

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