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現状と改善策

虐待

日本における児童虐待の現状は悪化傾向にあります。

現状

虐待の現状

現状として、大人が子どもに行う虐待は増加傾向にあります。虐待を受けたことがある割合は、10%強といわれています(複数の調査から類似の結果が報告されています)。近年虐待が増加しているのは、新型コロナウイルス感染症の影響で外出の機会が減ったことによるストレスの増加が原因といわれていますが、ストレスがたまっているからという理由だけで物を盗んだりする人はほとんどいません。ではなぜストレスがたまると虐待をしてしまうのか。それは虐待の深刻さを理解していないことがあげられます。物を盗んだら犯罪で逮捕されますが、子どもを家庭内などで虐待しただけでは犯罪として見つかる可能性は低いです。ですが日本は2004年に、正式に親の虐待を禁止しています。加害者の多くは言います。「しつけのつもりだった」。ではしつけとは何か、説明できますか?

厚生労働省が定義するしつけとは以下の通りです。

「しつけ」とは
子どもの人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。

身体的虐待やネグレクト、精神的虐待などは、しつけの定義にはあてはまっておらず、「教育」というあいまいな定義で考えてしまっているのが問題です。

改善策

児童相談所

虐待の定義、しつけとの違いを説明しても、虐待がなくなる可能性は低いです。加害者自ら気づいて相談することは少ないという点を踏まえ、対策としては、どれだけ第三者が児童虐待に気づいて通告できるかという事になります。ここでいう「通告」というのは、児童相談所へ児童の虐待を報告することを指します。日本における虐待の通告件数は年間20万件を超えており、中でも一時保護(2か月以内)が必要と判断された児童の数は2万5千人以上で10人に1人、その中でも児童福祉施設や里親制度などの保護が必要とされた児童数は1万人以上で20人に1人と報告されています。児童相談所は児童が自立して生活できるまで支援をする義務があり、大学卒業まで支援を受け取ることも可能です。虐待などの通告は、第三者の場合匿名で行えるため、虐待をしていることがわかっている場合は積極的に児童相談所に行くことが子どものためにも重要です。

日本における虐待の通告件数は年間20万件

子ども自身の相談

虐待の発覚として、子ども自身が児童相談所に相談に行くという場合があります。この際、子どもの権利を保障することが最重要です。親から虐待を受けている時、児童相談所への内容を親に伝えるのではなく、子どもと児童相談所間での解決を目指します。児童相談所には「児童心理司」と呼ばれる児童の抱えている精神的問題を適切に解決する援助をしてくれる専門家がいます。家族以外に協力してくれる人はいるか、子どもと家族で継続的な関係を保てるか、など、慎重に対応することが求められます。

児童相談所は何をしてくれるのか

子どもにとって最善の選択をすることが求められる中で、もし児童相談所が現在の家庭よりも低い水準の生活を提供するならば、子どもは家庭にとどまることになります。児童相談所は、里親、養子縁組などの解決策を考慮し、子どもがよりよい生活を送れるように必要な支援をすることが義務付けられているため、虐待を受けている家庭に戻る必要のない、または適切な指導により家庭内の虐待を改善できるような制度を目指し、改善していくことが求められます。

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