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子どもの権利条約 31. 休み、遊ぶ権利

31休み、遊ぶ権利

  1. 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
  2. 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。

一項

子ども自身の健やかで実りある成長と発達のためには「休息及び余暇」を持つことが絶対的に必要であること、そして同時に「年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動」を行うことや「文化的な生活」「芸術に自由に参加する」生活を送ることができる権利を子どもが有することが明記されています。では、これらのワードは具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。1つずつ紹介していきます。

「休息及び余暇」

「子どもの夜間労働からの保護」と「18歳以下の子どもに関しては必ず『連続した13時間以上の休養』を設けなければならない」ということがILO(国際労働機関)の「年少者夜業(工業)条約(改正)」(通称ILO条約第90号)では定められています。すなわち、このワードは子どもを「労働」という本来子どもがすることではないものから守り、保護する姿勢を示しているわけです。

子どもの労働についての規定を表した図

「遊び及びレクリエーションの活動」

これは文字通り、子どもがその年齢に合わせた自由な遊びをすることができるという意味です。逆にあえてこのことが書かれているということは「子どもの遊びの権利」を阻害し悪影響を与えるような現代に根付く数多くの問題を排除しながら子どもを保護すべき責務が締約国にあるということを示しています。

「文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利」

子どもが芸術を「受け取る側(例えば、見たり、聴いたりする)の一員」としてだけでなく「生み出す側(例えば、造ったり、演奏したりする)の一員」としても参加できるということの重要性が強調されています。また同時に、「自由に」という部分から、例えば「年齢や世代といった垣根をこえて大人と一緒に参加する権利」や「大人側も子どもが参加するのを受け入れるべきである」ということが間接的に定められているとも紐解くことができます。なお、この部分は第13条・第15条・第17条・第28条・第30条などといった各条文とも深い関連性を有しており、相互のつながりを基にした上でよりこの権利が深められてゆく、達成されていくことが条約全体で期待されているとも捉えることができます。

子どもの文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利について表した図

二項

一項で目指されている理念と目標を達するために「適当かつ平等な機会の提供を奨励する」ことは国家が行う責務であるということが謳われています。

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