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子どもの権利条約 8. 名前・国籍・家族関係が守られる権利

8名前・国籍・家族関係が守られる権利

  1. 締約国は、児童が法律によって認められた国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項について不法に干渉されることなく保持する権利を尊重することを約束する。
  2. 締約国は、児童がその身元関係事項の一部又は全部を不法に奪われた場合には、その身元関係事項を速やかに回復するため、適当な援助及び保護を与える。

一項

一項では、身元関係事項の保持についての権利の規定がなされています。身元関係事項とは条文でも述べられている通り、「国籍、氏名及び家族関係を含む」ものです。「国籍」は第7条にも記載がある通り、無国籍の子どもは基本的人権の尊重がされずに不利益、被害を被ることが非常に多いため、改めて本条にて規定が繰り返されています。「氏名」も「国籍」同様子どもにとって極めて重要性の高い情報であるため、第7条同様に規定がされています。「家族関係」に関しては、第7条の「できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利」が踏襲された上で、「親」のみにとどまらない「家族」の養育環境や彼らとの人間関係の重要性に基づき、子どもと「家族」の間にある関係性を子ども自身が認識し知る権利が定められています。ここでの、「家族」は例えば、「兄弟姉妹」、「祖父母」、「叔父叔母」などが含まれます。なお、ここで言及されている要素以外の身元関係事項には、子ども自身に関するあらゆる特性的な情報が該当するといっても過言ではありません。

身元関係事項について説明した図

二項

もし「子どもの身元関係事項が不法に奪われる事態となった」場合に、国家がその身元関係事項を回復するために援助や保護の手をなるべく早く迅速に差し伸べるべき、と記されています。ここでの「適当な援助」は例えば以下のものを指しています。「行き場のない子どもの繋がりのある親族を探す努力をすること」、「行方不明の子どもの情報をマスコミ、報道機関などに提供して、親子が再び会えるようにすること」、「子どもの氏名・国籍・家族関係などの変更を逐一しっかりと政府機関の公文書に記録しておくこと」などです。なお逆に、身元関係事項を不法に奪うこととしては、「子どもを親を含めた家族から無理やり理由なく引き離すこと」や「同化政策を行うこと」などの行為が該当します。

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