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子どもの権利条約 42. 条約の広報

42条約の広報

締約国は、適当かつ積極的な方法でこの条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する。

第42条では、この条約全体で定められている内容を、社会の中心である大人だけでなく当事者である子どもに対しても広く告知することが締約国の責務とされています。1つの条文として、あえて広報をすることの責務が語られているということは、とても重要かつこの条約全体の重みを表す意味を持っているといえます。

条約の広報の重要性に関する図

この条文規定における重要なことは2つあります。

① 「成人」という表現

これは「公的機関」や「法的機関」などといった対象を限定する表現ではないことから、「限られた一部の『大人』たち」にとらわれず、「親」はもちろんのこと「周囲にいる一般市民」、「さまざまな種類、役割のNPONGO」など「子ども」に関わる「全ての『大人』たち」に対して、本条約を知らせて普及させる責務があるのだとわかります。

② 条約を知らせる対象に「児童」を入れたこと

この「児童」というワードからは先述したように、「子どもの権利」というものの当事者である「子ども」の存在を重んじ、尊重している姿勢が見てとれます。「子ども」が「大人」と変わらない意見表明権や一市民としての諸権利を有するものとして規定されている本条約全体の理念にまさしくしたがった形といえるでしょう。また同時にこの部分から、条約全体の姿勢が、かつての子どもの権利に関する見方である「大人が子どもに対して権利を授ける」という思考を打破、排除するようなものであるのだと間接的に認識できます。

旧態の条約の考え方と、この条約の考え方を対比する図
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