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2013年 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」「いじめ防止対策推進法」制定

2013年、子どもの将来が生まれてきた環境によって左右されることのないよう、子どもの貧困にまつわる総合的な政策を促進する法律である「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(子どもの貧困対策推進法)が超党派による議員立法によって成立しました。当時、子どもの貧困が社会課題として認知されてきており、子どもの貧困率は1980年代などと比べて悪化してきていました。OECD加盟国の中でも、子どもの貧困率は高い水準でした。そうした中で、制定された同法では、「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備する」と記され、いわゆる「親から子どもへの貧困の連鎖」が起きないよう、政府に対して就労生活教育などにおける政策の大綱策定などを義務付けています。2019年には、改正が行われ、子どもの「将来」だけでなく「現在」への支援も行っていくことや、子どもの教育機会均等に向けた内容が明確化されました。

また、同年、子どもの貧困対策推進法と同様に、超党派の議員立法によって「いじめ防止対策推進法」が成立しました。同法は、2011年に滋賀県で起きた、中学生の自殺事件をきっかけに制定され、いじめ防止策の推進やそのための基本理念、国と地方自治体の責務などについて定めています。同法では、「いじめ」を以下のように定義し、いじめの禁止や、いじめ防止のための国と地方自治体の責務やそのための基本的な対策、以下で定義される「重大事態」の際の学校やその設置者(自治体や学校法人など)の対応について定めています。

いじめ防止対策推進法第二条
この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。
3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。
4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。
いじめ防止対策推進法 第二十八条
学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。
一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
(略)
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