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子どもの権利条約 23. 障がいのある子ども

23障がいのある子ども

  1. 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める。
  2. 締約国は、障害を有する児童が特別の養護についての権利を有することを認めるものとし、利用可能な手段の下で、申込みに応じた、かつ、当該児童の状況及び父母又は当該児童を養護している他の者の事情に適した援助を、これを受ける資格を有する児童及びこのような児童の養護について責任を有する者に与えることを奨励し、かつ、確保する。
  3. 障害を有する児童の特別な必要を認めて、2の規定に従って与えられる援助は、父母又は当該児童を養護している他の者の資力を考慮して可能な限り無償で与えられるものとし、かつ、障害を有する児童が可能な限り社会への統合及び個人の発達(文化的及び精神的な発達を含む。)を達成することに資する方法で当該児童が教育、訓練、保健サービス、リハビリテーション・サービス、雇用のための準備及びレクリエーションの機会を実質的に利用し及び享受することができるように行われるものとする。
  4. 締約国は、国際協力の精神により、予防的な保健並びに障害を有する児童の医学的、心理学的及び機能的治療の分野における適当な情報の交換(リハビリテーション、教育及び職業サービスの方法に関する情報の普及及び利用を含む。)であってこれらの分野における自国の能力及び技術を向上させ並びに自国の経験を広げることができるようにすることを目的とするものを促進する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。

一項は障害を有する児童および養護をしているものが特別な支援を受けられる権利があることを示しています。日本では、20歳未満に与えられる支援が2つあり、それぞれ「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」があります。

① 特別児童扶養手当

対象:20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。
支給月額:

1級 52,400円
2級 34,900円 (令和4年4月より)

手当が支給されるか否かには条件があります。手当を受け取れる限界の所得があります。

扶養家族とは

当人の親族にあたる者のことです。今回は対象が20歳ですが、親族には祖父母だけでなく、孫も含まれます。配偶者は除きます。扶養義務者は、当人の生活を支援している親族が該当します。また、障害を有する方には、どんな症状か、そして症状の程度によって1級から最大6級まで分類されます。医師に症状を診断された場合、必ず「障害者手帳」と呼ばれるパスポートのような手帳が本人に交付されます。

手帳にも3種類あり、「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」があります。身体障害者手帳は主に体の機能に関する障害の等級が書かれ、級が低いほど重度の症状とされます(視覚障害、肢体不自由、体の器官や免疫の障害など)。精神障害者保健福祉手帳は精神障害者又は発達障害と診断された方に交付される手帳です。1〜3級まであり、日常生活が行えない・著しい制限を受ける・制限を受ける3つの段階に分かれています。療育手帳(愛の手帳)は知的障害と診断された方に交付される手帳です。症状はAとBに分けられ、主に知能指数が35以下、または知能指数が50以下であり他の障害を有すると診断された方がAと診断されます。その他の症状をBと診断されます。

「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」に関する図

② 障害児福祉手当

特別児童扶養手当は障害を有する方であればほとんどの方が申請できる支援となっていますが、この障害児童福祉手当は「精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者」に支給されます。月額は14850円(令和4年4月より)、特別児童扶養手当と同様に、一定上の所得を有する場合は手当を受け取ることができません。二項には子どもの権利条約第3条「子どもにもっともよいことを」を守ることを保証するよう要請する内容となります。日本で提供されているサービスとしては、「医療型児童発達支援」「児童発達支援」などの児童を訓練するサービス、「特別支援教育」などの教育を提供するサービス、そして医療サービスを支援する手当などの法律などが定められています。

現在、発展途上国の障害児の立場は特に弱い傾向にあります。医療や教育が発達していない国では、障害の治療が受けられなかったり、日本では定着している特別支援学級の制度などが普及していなかったりと、国家間、そしてNGOを通じた協力が欠かせないことがわかります

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