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子どもの権利条約 7. 名前・国籍をもつ権利

7名前・国籍をもつ権利

  1. 児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。
  2. 締約国は、特に児童が無国籍となる場合を含めて、国内法及びこの分野における関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、1の権利の実現を確保する。

本条においては、次の5つの子どもの権利が述べられています。なお、①・②・③は自由権規約第24条二項および三項に立脚して設けられました。

① 出生の後直ちに登録される権利

これは出生後の子どもが国家に基礎的な情報の登録をされることをいいます。ここでの、基礎的な情報とは、名前・性別・誕生日・出生地・父母両方の名前と住所・父母両方の国籍などといったものが具体例としては該当します。このことで、子どもは国家にその存在を認知され、その情報は本条約で促進および奨励されているような子どもの権利をより保護していくことに活用されます。

「出生後直ちに登録される権利」について表した図

② 出生時から氏名をもつ権利

本条では子どもは出生時より「氏名」をもつ権利を有しており、それに呼応する形で、父母は自分たちの子どもに「名前をつける権利(命名権)」を有しています。ただ、例外として、孤児には父母もしくはそれに準じる存在がおらず名付けができないので、国家が代わりに命名する必要があります。

「出生時から氏名をもつ権利」について表した図

③ 出生時から国籍をもつ権利

子どもの出生時からの「国籍取得」が定められています。なぜならば、国籍を持つか否かによって「基本的人権の保障」の有無が分かれるケースが多いためです。なお、同時に、国家は本条二項に基づき、子どもの「無国籍」状態を防止する努力をする必要があります。第3条の「子どもの最善の利益」という記述を踏まえても防止の取り組みが何よりも重要であるとわかります。また、「国籍取得」の上での、男女差別や非嫡出子(婚外子)差別は第2条の「差別の禁止」に基づき、その一切が禁じられています。それぞれの条文の詳しい解説は該当ページをご参照ください。

④ できる限り自分の親を知る権利

ここでの「親」の定義は、血のつながりのある親、育ててくれた親(心理学的親)などのいずれのケースも該当します。「できる限り」という文言は、親を知ることが子どもの幸福に絶対につながるかどうかは必ずしもわからないために加えられています。

⑤ できる限り自分の親に養育される権利

「親に養育されるべき」ことが明らかにされています。これは④と深く関連しており、「親」というワードの定義の複雑性・難解性に基づいた上で「できる限り」という言葉が入っています。

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