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権利の歴史

1900年 エレン・ケイ『児童の世紀』を著す

19世紀の最後の年である1900年に、スウェーデンの教育学者、エレン・ケイによって著されたのが『児童の世紀』です。本書は、子どもの自主性を重んじた新教育運動に大きな影響を与えた他、「20世紀こそは児童の世紀として子どもが幸せに育つことのできる平和な社会を築くべき時代である」との文言で有名です。

本書でケイは、子どもにも「不可侵の人格の権利」があるとし、子どもが大人を超えて発達して行くことを阻んではならないと主張しました。また、「教育の最大の秘訣は教育しないこと」との文言も有名です。これは、子どもの周囲の大人が善い行いをすることで、子どもは自然に善を学んでいくということで、「教え込み」を否定し、自然な状態で子どもが自発的に学べるような工夫をすることを主張しています。

本書はスウェーデン語で出版されましたが、出版の2年後にドイツ語への翻訳本が出版され、ドイツで大きな反響を呼びました。ドイツの詩人リルケは本書を「子どもから」の考えが表された本であるとして褒め称え、「子どもから」という言葉は欧州に広まっていきました。

このように、『児童の世紀』は、子どもの権利を尊重し、子どもを権利の主体として捉える児童中心主義な教育を主張しました。

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