第1条子どもの定義
この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。
本条では、条約全体における当事者である「子ども」の定義を「18歳未満」と定めています。ただ、同時に例外として、締約国に「子どもに適用される法律により18歳以下で成年に達する規則」がある時には、それに従って、「その成年以下の年齢の人」を「子ども」と指す定義として機能しています。
例えば、日本では、かつて16歳以上18歳未満の女子が結婚した際に成年になったものとみなされていました。しかしながら、現在は18歳成人の施行に伴い、事実上女子の16歳〜18歳での結婚は不可能になったため、この例外規定の部分は日本には一切当てはまりません。
「子ども」の定義は「18歳未満」もしくは「18歳より早い成年の年齢(締約国ごとの法律による)未満」の2択ということですが、これはすなわち「子ども」の年齢の終わりの時点は「18歳」もしくは締約国の「子どもに適用される法律に基づく成年の年齢」の2つが存在しているということを意味しています。
しかしながら、条文には「子ども」の年齢の始まりの時点に関しては一切明記されていません。これに関しては定義を「子どもが生まれた時」とする見解と「親が子どもを妊娠した時」とする見解の2つがあり、議論がまとまらなかったため記載されませんでした。ゆえに、この「始まりの時点」の見解で、前者と後者どちらをとるかについてはそれぞれの条約締約国の判断に一切が任されています。なお日本では、各種法令制度とそれに対する解釈との整合性をとり、矛盾を生まないようにするため、「子ども」の始まりの時点の定義は「親が子どもを妊娠した時」ではなく、「子どもが生まれた時」となっています。